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2020年1月23日~2月1日 製材機の格納庫が完成する

 
製材した板を製材機の格納庫に張ったことで、本格的に建材として使うためにはいろいろな課題があることがわかってきました。


1/23(木) 自動カンナの購入を検討する

夜中にそこそこの雨が降り、残っていた雪もすっかり溶けてしまった。この時期に根雪がないなんて、今年は正真正銘記録的な暖冬だ。
今日は広島に用事をしに出かける。製材した板の表面は毛羽が立ったり波打ったりしているのでそれを建物に使うには最低限カンナはかける必要がある。電動カンナでは効率が悪いしきれいに削るのが難しいので、板を自動で送りながらカンナをかけてくれる自動カンナを探そうということになった。以前訪れたことがあるリサイクルショップに寄ってみたら自動カンナはなかったが、電動ドリルが4500円で出ていたので思わず購入。前に来た時に比べて置いてある品物が少なかったので店員さんに理由を聞いてみたら、最近は商品の回転が速いネットオークションに出すことが多いのだそうだ。となると中古品を買いたければネットオークションを避けては通れないということだ。
帰宅後、私は妹のパソコンの設定をしに行き、相方は天気が悪いときに木工作業ができるように物置のようになっている自宅の空き部屋の片づけに着手する。

1/24(金)  はじめてのけん引なしの伐木

時折太陽が顔を出す春のような暖かい天気。
製材機の格納庫の壁に製材した板を張ってみて、どのくらいの丸太を用意しておかないといけないかがわかってきた。直径30cmぐらいの丸太からとれる板材は約10枚で壁の長さ1m~1.5m分にしかならない。トイレ棟の壁の長さは延べ12m、松を1本伐採して製材に使える太さのまっすぐな丸太は2、3本なので、最低でも5、6本を伐採し、製材して乾燥させておく必要がある。1週間に1本づつ伐っても1か月以上かかる計算だ。
ということで早速ハンノキサイトの脇に立っている直径40cm程の松を伐ることにした。
今までは念のためにけん引して伐っていたのだが、この松は見事なほどまっすぐ立っているうえに枝が倒したい方向に張り出していて重心が倒したい方向にあることが明白なので、初めてけん引せずに伐ることにした。
前回チェックを忘れて失敗した、チェンソーにつけた水準器と、チェンソー本体に引いてある黒い線の向きをチェックするのを忘れないように再確認して伐木開始。受け口を切ってから追い口を切る。途中でチェンソーが噛まないようにくさびを打ち込んでから追い口を切り足すと間もなく、ほぼ狙った方向に大きな松の木が音を立てて倒れた。初めてのけん引なし伐木としては上出来だ。
前の冬に伐木した松は倒したあと何もできずにほっておいた結果、虫食いやカビで製材には使えなくなってしまった。そこで今回の伐木からは、伐木直後にきりがいいところまで片付けきることにする。まず枝を払って幹を玉切りする。まっすぐな細い木の枝を切って長さ2mと3mの定規を作り、製材に使える太くてまっすぐな部分を定規で測って2mまたは3mに玉切りする。残った製材に使えない部分は薪用に長さ40cm前後に玉切りする。今までは玉切りする際にチェンソーが地面を切らないように、油圧ショベルで木を持ち上げていたのだが、玉切りは油圧ショベルが入れない場所でもできる必要がある。そこで今回は木が浮いている間に丸太や枝を突っ込んだり、枝を使ってテコで持ち上げたり、丸太を転がすためのフェリングレバーや蔵の2階でみつけた丸太に刃先を突き刺して引っ張るトビ等の道具を使って転がしたりして、なんとか玉切りをやり終えた。
玉切りが終わったら、製材に使う丸太は皮をむき、地面に直接触れないように下に木を挟んでおく。皮むきの合間に枝や葉やむいた皮を燃やし、薪用の丸太をサイトの隅に積む。ここまでが片付けの目標だが、どれだけ時間がかかるかはやってみないとわからない。今日は枝焼き半分、皮むき半分終わったところで時間切れ。
枝うちと玉切りが終わって、皮むきに着手した丸太

1/25(土)  松の分厚い皮をむく

昨日程ではないが霜が降りない暖かい朝。相方は再び製材機の格納庫の壁張りの続き。
私は松の枝を燃やすかたわら、残る1本半の松の皮をむく。根元に近づくにつれ松の皮が厚く固くなってきて、皮むきでは遅々として進まず、別の道具を試してみることにした。
移住前のリフォームで使った道具のうち、カーペット等をはがすスクレイバーとインテリアバールを試してみる。
薄いスクレイバーは硬い松の皮の下にうまく差し込むことができたが、柔らかすぎて皮を起こすことができない。スクレイバーでできた隙間にインテリアバールを差し込んでテコの力を使って引き起こすと皮がはがれた。皮の下に差し込めて、テコのように皮をおこせるものとして鎌を試してみたら、うまくいった。さらに鎌だと皮むきとしても使えるので、今のところ固い松の皮をむく道具の暫定一位は鎌ということになっている。何とか皮をむき終えた後は、ハンノキサイトの道路側の斜面に散乱した薪用の丸太をつみ、粗朶を燃やしていく。
皮むきが終わった松の丸太。
皮をむいた丸太はきれいなオレンジ色になる。

1/26(日)  ドットコの使い方を教えてもらう

時折日が差す暖かい日。
キャンプ場予定地に行くと、小鳥たちがにぎやかにハンノキサイトとネコヤナギサイトの木々の間を飛び回っていた。ジョウビタキのメス、コゲラ、シジュウカラ。うまく写真が撮れなかったのが残念。
ネコヤナギサイトの木々にやってきた小鳥たち。
ジョウビタキ♀(左)、コゲラ(右)、シジュウカラ(下)
相方は今日も製材機の格納庫の壁はりに、私は今日もハンノキサイトとミズキサイトの粗朶の片づけに精を出す。
すると集落の一番川下に住んでいるT川さんが軽トラックでやってきた。久しぶりにこちらの道を通ったらすっかり様子が変わっていたので思わず立ち寄ったとのこと。昔郵便配達をしていたことがあり、ミズキサイトの奥にあった2件の家に郵便を配っていたとか、T川さんの話を聞いていたら、目の前に広がる湿地帯に生えているネコヤナギのあちらこちらが白いことに気が付いた。見ると春のような日差しに誘われたのか、ネコヤナギの花が咲き始めている。
茶色い帽子(芽鱗)をかぶったネコヤナギのつぼみ
T川さんに製材機を見せながら、”蔵から出てきた丸太を動かす道具がとても役に立っているが使い方がわからない道具があって…”、とトビに似ているが刃先がやや上向きになっている道具を見せると、これはドットコといって、刃先を丸太にひっかけてテコの原理で丸太を持ち上げたり動かしたりする道具だと教えてくれた。ちょうど伐木した直後の松を玉切りするときに、チェンソーで地面を伐らないように丸太を地面から浮かすのに四苦八苦していたので、ドットコが役に立ちそうだ。
T川さんは、トビで体重をかけて大きな丸太を動かすときにトビが丸太からはずれると危ないので、使う前にトビの鉤先を焚火で焼いてたたいてとがらせてさらに切っ先を内側に曲げてからその日の作業を始めていたこと等を懐かしそうに話してくれた。
粗朶焼きが一段落したところで、製材機の格納庫の壁が今日明日にも完成しそうになってきたので、格納庫の入り口にカーテンを取り付ける。ビニールハウス車庫のパイプの余りをビニールひもで単管に取り付けてカーテンレールにして、ブルーシートにハトメを追加した物をカーテンにする。ブルーシートのカーテンを巨大な安全ピンのようなカーテン用の金具でカーテンレールに取り付けたら、カーテンらしきものが出来上がった。
午後、キャンプ場予定地に自宅の近所の別荘のオーナーのH尾さんが義理の息子さんと一緒に来られた。息子さんが趣味でドローンを飛ばしているとのことで、キャンプ場を撮影してあげようと来てくれたのだ。息子さんがドローンを地面に置き、スマホをセットしたコントローラについたジョイスティックを倒すと蜂のような音を立てながらドローンが飛翔。2kmまで離れたところから撮影でき、電池が切れると自動的に戻ってくるのだそうだ。ひとまず撮影データをいただいて、季節が良くなったころに撮影をお願いする。
ドローンで撮影していただいたキャンプ場予定地の空中写真
その後作業を続けたが製材機の格納庫の板壁は残り3枚というところで時間切れ。明日からの雪に備えて板壁が張れなかった部分には透明シートを張って撤収。

1/27(月) ヤフオク初体験

低気圧の通過で朝からみぞれ交じりの雪。
午前中、母を整骨院に連れていく。ついでに私もキャンプ場予定地でイノシシが掘った穴に落ちて以来、右の膝小僧の下が少し腫れているのを診てもらった。古傷の膝の捻挫で後十字靭帯が少し伸びていて膝が前後にぐらついているらしい。伸びた靭帯は簡単には直らないので腿の筋肉を鍛えて関節を支える力を強化する必要があるとのこと。関節を守るのは結局筋肉ということらしい。
帰宅後も雨はひどくなる一方なので、自宅で製材機の格納庫の板張りで分かった問題点の解決方法を検討する。板が製材後に左右方向に曲がってしまいそのまま使うと隙間ができてしまう問題に対処するには、乾燥してから板の縁がまっすぐになるように削る必要がある。トイレ棟など本格的な建物の壁を張るには、縁がまっすぐで表面にカンナがけした同じ幅の板を大量に用意しないといけないので、これを建物の建築に間に合うようにやり遂げるには何か道具が必要だ。以前木工機械の中古屋さんで詳しく教えてもらっていたおかげで、板の縁をまっすぐにするには「手押しカンナ」、板の表面のカンナ掛けには「自動カンナ」が必要だということはすぐわかった。また先日訪ねたリサイクルショップで中古屋さんも商品をネットオークションで売っていると教えてもらっていたので、ネットオークションで探してみることにした。
ネットオークションは初体験なのでおっかなびっくり使ってみる。とりあえず候補を探して「ウォッチ」に登録するとそれに類似する出品を自動的にリストアップしてくれるのが便利だ。いろいろ探した結果、写真や説明で見る限り手が出る値段で物件の程度が良く、出品者の評判がいい物件を2つ見つけた。どちらも落札まで数時間。値段が安いほうをウォッチしていたが、次々と入札があり、そのうち想定価格を超えてしまった。そこで第二候補に入札。しばらくすると別の入札者が現れ、私とその人の一騎打ちになった。何度か入札を繰り返した結果、最初に入札したときより1万円ほど上がったところで落札できた。
入札の合間に暗渠用の砂利を選別するための土ふるい機を探していたら、ちょうど以前チェックしていたマゼラーという製品の中古があり、こちらは競争することなく落札できた。案内に従ってすぐに入金の手続きをする。中古品を現物を見ずに買うのはちょっと不安があるが、どんな物が届くか楽しみだ。

1/28(火) ジムの日

隔週のジムの日。昨日の今日で自動カンナが届いたので預かっていると見浦牧場から連絡があった。さすが評判のいい出品者だけあって対応が早い。明日取りに行こう。

1/29(水) 自動カンナと土ふるい機を動かす

時々雨が降ったり雪が降ったりのはっきりしない天気。
自動カンナをどこに設置するかを検討する。キャンプ場予定地にはまだ電気がきていないので、片付け始めていた自宅の1室をできるだけ広く開けて、カンナ屑がひろがらないようにカーテンなどで仕切って設置することにした。しかし、片付けが間に合わず、自動カンナの試運転は見浦牧場でさせてもらうことにした。
さらに同じ日に落札した土ふるい機が47km離れた益田の運送屋さんの営業所に届いたという連絡があったので、自動カンナの試運転後に取りに行くことにした。
見浦牧場の納屋にキャンプ場予定地から製材した板を1枚持っていき、弟とお嫁さんに手伝ってもらって組み立てる。丁寧な梱包をほどくと想像していたよりずっと程度がいい機械が現れた。
まずは自動カンナ、板の厚みを1cmにして自動カンナに板を通すと、大量のカンナくずを吐き出しながら板の表面が削られていく。1度めは板の厚みが違ったらしく半分の表面だけが削られたので、厚みを減らしてもう一度板を通すと表面がなめらかな板が出来上がった。次は手押しカンナ。板を立てて手押しカンナの台に押し付けながら削ると、板の横がきれいにまっすぐに削られた。取り扱いは簡単で動作も問題ない。これはいい買い物だった。
ヤフオクで入手した自動カンナ(左)手押しカンナ(右)
大工さんが現場で板を削るのに使うらしい
そのあと軽トラダンプで益田に向かう。カーナビはないので相方が助手席でスマホで人間ナビをする。営業所につき、着払いの運送料を払ってから、フォークリフトで軽トラダンプに荷物を積んでもらう。荷がずれないようにロープでしばって、ガソリンを注いでから帰宅。一休みしてから軽トラダンプの荷台に立てかけるブリッジを見浦牧場でかりてヤマザクラサイトに行き、ブリッジを利用して2人で両側から支えたり押したりしながら荷物を地面に降ろす。
梱包をほどいて足を立て、発電機から電源を引っ張って電源コードをつなぐ。電気を入れたら無事にふるいが左右に振動。試しに砂利交じりの土を入れてみたら細かい土、砂はふるいの目を抜けて下に落ち、石は横から落ちていく。これは楽ちんだ。ただ暗渠用の砂利を分別するには網の目が細かすぎるので、金網を取り換える必要がありそうだ。
ヤフオクで入手した自動土ふるい機、マゼラー。
少し傾いた半円柱形の網が振動して細かい土や砂を振るい落とし、
残った石が網の端から落ちていくという仕掛け。
自宅に戻り、ヤフオクで出品者の評価を入力して今回の取引完了。どちらもいい買い物で大満足だ。ヤフオク、これからもお世話になりそうだ。

1/30(木) 丸太を人力で運び出す

うっすら積もった雪の景色。
朝、自動カンナを設置するため自宅の1室を少しかたずけてから、伐木道具を軽トラダンプに積んでキャンプ場予定地へ。
ミズキサイトの横にある直径40cm程の松を切る。重心が素直に倒す方向にあるので、けん引せずに受け口を作り、追い口を切ると大きな音を立ててほぼ狙った方向に倒れてくれた。すぐに枝払いと玉切りをする。水路に落ちてしまった枝も拾い出し、次の工程となる皮むきと枝の焼却に取り掛かれる直前までを一気に終わらせる。
伐木直後の松。
根元のぐにゃぐにゃ曲がったところは製材には使えない。
そのあと、見浦牧場によって仮置きさせてもらっていた自動カンナを軽トラに積んでいると、父からHさんの五右衛門風呂でプロがやり直しをしているという情報を聞き、自動カンナを自宅に降ろした後、午後様子を見に行く。すると年配の左官さんが3つあるうちの2つ目の五右衛門風呂の焚口と煙道の造作をしていた。
五右衛門風呂の焚口を作る左官さん
五右衛門風呂は鉄の風呂桶の下の部分がかまどに乗っているように細工したうえで煙がその上の層で風呂釜の回りを通って焚口の横に出るように煙道という空洞を作るものらしい。五右衛門風呂の内部構造を見られるチャンスなど、なかなかないので興味深い物を見せてもらった。
設置中の五右衛門風呂。
レンガで囲われた部分は下がかまど、その上が煙道の2層構造になっている。
そのあとキャンプ場予定地に行き、伐木の本に書いてある方法を参考に、前回切った松の丸太を重機を使わずに人力で運びだせるかに挑戦。蔵の2階で見つけたトビとドットコを使って丸太を転がしたり向きをかえたりして軽トラックのそばまで移動し、軽トラの荷台にアルミのブリッジを立てかけてスロープを作り、反対側の荷台のフックにかけた2本のロープを丸太に回す。荷台のほうからロープを2人で引っ張ると動滑車の原理で2倍力で引っ張り上げることができる。降ろすときは同じようにロープをかけて一気に転げ落ちないように支えながらフェリングレバーで丸太を転がしてスロープに載せて降ろす。
長さ2mの細めの丸太2本は簡単に積むことができた。
次は根元に近いほうの3mの丸太だ。こちらは先ほどの丸太とはけた違いに重く、2人がかりで転がしたり動かしたりするのがやっとだ。
引っ張り上げるのも3mになると荷台から1mもはみ出してしまうので、バランスが悪く四苦八苦して何とか引き上げ、何とか運んで降ろすことができた。
ともあれ、このくらいのサイズなら人力+今ある装備で軽トラダンプに積んで運搬できることがわかり、油圧ショベルや軽トラダンプが入れない場所からでも丸太を運び出せる目途が付いた。

1/31(金) 雪で外作業は中止

5cm程の雪が積もった朝、母を整骨院に連れていく。松原も道が白く、戸河内も雪がちらつく。ロープ等の買い物をして戻る。
天気が悪いままなので確定申告書類の準備をしたり、丸太引き上げ用にロープを10mに切って先端に薩摩あみで輪を作ったりして過ごす。

2/1(土) 製材機の格納庫の壁が完成する 

相方は2枚程残っていた製材機の格納庫の壁を張り終わり、1月10日に着手してから3週間かかってついに製材機の格納庫の壁が完成した。時間はかかったが、板の側面をまっすぐにしたり、板の幅をそろえておく等、効率よく板を張るために製材時や板を張る前にやっておくべき作業が具体的に分かったことが、収穫だった。
板を張り終わった製材機の格納庫。
私は先日倒した松の枝をかたずけ、皮をむくため焚火を起こす。
作業しているすぐ近くのやぶでいつもと違う声の小鳥が来てさかんに鳴いていた。しかし、普段見ている鳥と違って、鳴き声の大きさから鳥がいる距離を推測するのが難しく、なかなか姿を見つけられない。声がする度に探していたら、ようやくやぶの中に忙しく動き回るミソサザイの姿を見つけることができた。
一足早い恋の季節?やぶの中でさかんに鳴いていたミソサザイ
製材機のレールに丸太を載せる方法として、スロープとロープを使った方法を試してみる。アルミのブリッジをレールにかけてスロープを作り、丸太を転がしてレールの下に持ってきてから、スロープの反対側のレールに結んだ10mのロープ2本を丸太の下に通して、レール側から引っ張ると、動滑車の原理で2倍力になるおかげで、軽々と丸太をレールに乗せることができた。丸太を運ぶ方法も少しづつ進化している。
相方は製材に取り掛かり、私は枝をどんどん燃やしながら皮をむいたが、1日ではかたづけきることができなかった。1本伐木したら片付けに2日はかかりそうだ。


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