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2019年6月8日~6月18日 蔵の屋根を修理する

 
前々から懸案になっていた、キャンプ場予定地内にある古い蔵の雪で折れた屋根の修理が、偶然の出会いをきっかけに進展しました。その出会いとは...



6/8(土) 蔵の屋根修理の救世主現る

実は、キャンプ場予定地の母屋跡の隣に蔵が立っているのだが、北側の屋根の軒が半分折れたり、入り口の前室の屋根に穴が開いていたり、土壁のあちこちが剥がれ落ちたりしていて、壊すか修理するか迷うぐらいの有様になっている。
雪で軒が折れて垂れ下がった蔵の屋根

蔵の入り口にある前室の屋根もあちこち穴が開いている
しかし、蔵の内部はしっかりしており、母屋の解体で壊す大変さを思い知ったのでできれば修理する方向で考えたいと思っていた。とはいえ、なんのノウハウも持たない我々だけで修理するのは無理なので、修理の仕方を教えてくれる大工経験がある人を探していたが出会えないでいた。
そんな時、小雨が降る中、先週に引き続き、藁ぶき屋根愛好家のHさんが隣の藁ぶき屋根の家を見にお孫さんを連れてやってきた。先週Hさんと話したとき、Hさんの仕事は建築関係だと言われていたので、ダメ元で軒が雪で折れてしまった蔵の修理を相談できるような大工さんをご存知ないかと聞いてみた。すると、Hさんはとりあえず見てみましょう、と予定地に蔵の様子を見に来てくれ、これなら直せそうと言いつつ、用事があるのでと益田方面に出発された。
そのあと、粗朶の野焼きに初挑戦する。以前、父から雨上がりなど周囲が乾燥していない風がない夕方にするようにと教えてもらっていて、今日はその条件にぴったりだったのだ。野焼きは「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」で禁止されているが、草木の屋外焼却は「農業・林業・漁業を営むためにやむを得ない廃棄物の焼却(例えば林業者が伐採した枝条の焼却など)」や、「日常生活を営む上で通常行われる廃棄物の焼却で軽微なもの(例えば焚火、キャンプファイヤー)」は例外として認められているのだ。もちろん、飛び火で延焼したりしないよう、十分な配慮・対策が必要なことは言うまでもない。
何かあった時のために、見浦牧場にいってこれからやりますと連絡し、家から消火器、バーナー、焚き付けにする段ボール薪(段ボール箱を切ってまるめたもの)を持ってきて、粗朶が濡れないようにかけておいたテントを外す。粗朶に段ボール薪とバーナーを使って火をつけようとしたがなかなか燃えつかず、消えそうになるたびに枝の細い部分を折って火の上に追加することを繰り返しているうちに何とか太い枝に燃え移り、安定して燃えるようになった。周りに置いてあった粗朶を順番に火の上にくべていき、その場に集めてあった粗朶をほとんど燃やしたところで、父が様子を見に来てくれた。こうして見守ってくれる先生がそばにいてくれるのは本当にありがたい。
火が収まるのを見届けてから家に帰り一休みしていたら、思いがけなくHさんが益田からの帰りに寄ってくれた。なんと、設備系の建築会社に勤めていて大工仕事もある程度できるので、修理してあげるとのこと。さらに大まかな修理の段取りを説明してくれ、バタ角や足場板などの材料があるかと聞かれたが、こちらは素人、単語の意味が全然わからず、会話が成り立たない。そこでHさん、説明をあきらめ、明日必要な材料や工具を持って、修理に来てくれるという。Hさんに大工さんを紹介してもらえたとしてその大工さんとコンタクトを取って...とまだまだ先が長いと思っていたのが一転修理に着手できることになった。

6/9(日)  蔵の屋根の修理開始

朝の気温5℃、6月とは思えない寒さだ。8時すぎ、約束通りHさんが軽トラに材木を積んできてくれた。まず、蔵の軒が落ちないように、折れた軒を支えるために、軒の下に長さ4mの角材を渡して仮の桁を作るという。軒までの高さは約4m、どうやって角材を持ち上げるのかと思ったら、油圧ショベルのバケットの底にスリングとミニレバーというけん引具で角材をがっちり縛り付けてから油圧ショベルのアームをゆっくり持ち上げ、軒の下に入れて折れた軒を持ち上げて止める。それを下から柱で支えて仮の桁が完成。油圧ショベルでものを運ぶ方法に、こんな方法があったとは大発見。
油圧ショベルのバケットに縛り付けた角材で折れた軒を持ち上げる
次は、垂木が折れている部分の屋根のトタンを外す。命綱となるロープを修理する屋根の反対側の木に結び付けてそのロープを屋根にかける。屋根にかける方法は大きな木を伐採するときに使っている紐のついた砂袋を投げる方法を応用する。
Hさんがはしごを登り、命綱に二重8の字結びで作った輪に腰に装着した安全帯のカラビナをひっかけて安全を確保しながらバールでトタンを止めている釘を抜いていく。外したトタンは、ロープを付けたクランプで挟んで、ロープで吊り下げながらゆっくり降ろして下で受け取る。
命綱をつけて屋根に上がり、トタンを外すHさん。
働くおじさんのなんとかっこいいことか!
トタンが全部はがれたところで、一辺5.5mのブルーシートを屋根に引っ張り上げる。普通に引っ張っただけでは軒につかえて上がらないので、別のロープを1本ブルーシートに結び付け、下からそのロープにテンションをかけつつ、上のロープを屋根から離して引っ張ることでロープウェイのように軒の上を荷物が通過する。同じように小さめの土のうを屋根に引っ張り上げ、土のうをブルーシートの端にロープで結び付けて屋根からつるしたり屋根の上に置いたりしてブルーシートを支える。プロの人の仕事を見るのは、なるほどと感心することばかりで本当に勉強になる。ブルーシートをかけ終わった時にはすっかり夕方になっていた。
次の日曜までに、修理用の材木を準備しておくことにして、解散。

6/10(月) サイトNo2の丸太とツルのかたずけを継続 

今日の作業はサイトNo2のかたずけ。
サイトNo2の前回切り残していた赤松やハンノキの丸太をチェンソーで2mぐらいに玉切りし、転がしてツルの上から移動する。木の下敷きになっていたツルを引っ張り出して、一輪車の上で束にして、サイトNo4に運ぶ。
丸太を動かしたらその下に隠れていた
ニホンヒキガエル(広島県絶滅危惧種Ⅱ類:別名ガマ)がでてきた。
その姿はどうみてもゴジラの親戚!
相方はチェンソー作業のあと、油圧ショベルでぬかるみ対策が必要と判明したところを掘って砂利と混ぜて埋め戻す。

6/11(火) 屋根修理の材木の調達

隔週のジムの日。ジムに行く途中、ホームセンターによって、蔵の屋根の修理に使う材木を探す。
折れた垂木の太さは縦9cm横7cmだが戸河内のホームセンターでは見つからなかったので、ジムの近くにある西村ジョイに向かう。すると、Hさんから電話があり、今西村ジョイで木材を見ているという。そちらに向かっていると話すと到着までまっていてくれるとのこと。30分後に西村ジョイでHさんと合流。横方向の力に強い米松の角材を探すが、やはり適当なサイズの木材は見つからない。45mm×45mm×2mで6本1束という材木を見つけたので、2本上下に重ねてビスで止めて90mm×45mmの角材にし、その2本で折れた垂木を両側からはさんでビスを打って補強する、という方法で修理することに決まった。運搬についてはHさんが日曜日に屋根を直しにくるときに、運んであげるという。何から何までお世話になりっぱなしだ。

6/12(水) トタンの移動を開始

小雨がぱらつく朝。雨が止んでから、午前中はサイトNo2の粗朶のかたずけを継続。
蔵の修理や建物の建築を開始すると、さまざまな資材が必要になるはずなので、母屋前のトタンなどを置いてある場所をかたずけて資材置き場にすることにした。まずはトタンを見浦牧場内のスクラップ置き場に運ぶことにする。軽トラダンプは荷台のあおりが低く、そのままではたいした量を積めないので積んだトタンが横に崩れるのを防ぐ手段が必要だ。いろいろ事例を調べたりしたが、今日明日でできる方法は見つからず。積む荷物はある程度長さが決まっているトタン、軽トラダンプの荷台の鳥居とあおりのフックに斜めにロープを渡せば、より多くのトタンを載せられるはず、とロープを結んでからトタンを載せてみた。結果はロープがないときに比べて3倍ぐらいのトタンを載せることができ大成功。今日は2回運ぶだけで作業を中断したが、2回運んだだけで目に見えてトタンの量が減ったので、あと10回も運べばなくなるかも。
軽トラダンプの荷台にロープを張ってトタンの落下を防止する。
その奥にあるのがひと山減ったトタンの山。
16時から、2回目の粗朶の野焼きに挑戦する。3日かかって運び出した粗朶が3時間ほどでほとんど灰になる。火のパワーには恐れ入る。

6/13(木) 丸太の運搬には丸太トング 

週末の雨予報に備えて、サイトNo3の入り口部分の整地をする。まず地面の枯れ枝を掃除してからショベルで地面を掘り起こしながら草木の根をより分け、軽トラダンプに乗せて運び出す。サイトNo3の入り口付近に散乱していた太い丸太は、通販で手に入れた重機釣り上げ用トングを使って片側を釣り上げてチェンソーで適当な長さに切断し軽トラダンプに乗せて運び出す。丸太の釣り上げにトングを使うと、チェーンやロープより取り付けが簡単かつ釣り上げたとき木材があまり回転せず姿勢がコントロールしやすいところがいい。
お昼休み、日曜日に来るはずだったHさんが木材を積んでこられ、週末用事ができたので、金曜日作業に来ますと言って帰っていった。
午後からは掘り返したところが雨でぬかるまないように、砂利採取場から砂利を運搬して土の上に広げて踏み固めておく。

6/14(金)  軒を支える垂木11本のうち、1本修理完了

午後から雨になる予報。Hさんが来る前に砂利を運搬し、いったん家に帰って木工用の道具を軽トラダンプに積んでいるところにHさんが到着。早速屋根修理に取り掛かる。
まずは木材を2本づつ、木工ボンドをつけて縦に積み重ねて表裏で計4か所ビスでとめて90mm×45mmの太さの垂木の補強材を作る。
その間に私は屋根から外したトタンの折れたところをカナヅチでたたいてまっすぐにする。折れたところはあちこちに小さな裂け目ができていたので、屋根に戻す前にシーリング材で穴をふさいでおかねば。
垂木補強材ができたので、まずは試しに一番手前の垂木の補強をやってみることにした。垂木が載っている桁のくぼみを補強材の幅分ノコギリとノミで広げて補強材が通る隙間を作る。そのあと軒先から補強材を垂木の横に沿うように差し込むのだが、もともと隙間がぎりぎりなのに加えて折れた軒が下がっているため、あちこちにつっかえて入らない。つっかえているところにくさびを打ち込んで隙間を広げながら補強材をハンマーでたたいて何とか2本を差し込むことに成功。そのあと、あらかじめあけてあった穴にビスを打ち込んで補強材を垂木に固定して出来上がり。
ここまでで時刻は午後1時、雨も落ちてきたので作業は中断。補強材を入れたところだけ折れ曲がっていた屋根のブルーシートがまっすぐになり、狙い通りの出来栄えだが、これをあと10本作業しなければならない。
次は日曜日に来て作業していただけるという。

6/15(土)  屋根修理の材料調達

前日に降り始めた雨が終日降り続く肌寒い一日。
午前中にトタン用の釘、トタンの穴をふさぐシーリング材などの屋根修理に必要な材料を買いに行く。
夕方、レインコートを着て水はけの様子を見に行く。あちこちに水たまりができてざあざあ流れていたがおおむね想定通り。さすがにだいぶ経験値が上がってきたらしく、いちいち水たまりやぬかるみにびっくりしなくなった。

6/16(日)  電気工事士2種実技試験の試験勉強

Hさんが来て蔵の屋根修理をする予定の日だが、朝から雨で午後まで雨が残る予報。HさんにLINEでこちらが雨降りなので来るのを見合わせてはと連絡すると、午後行きます、との返事。
相方は午前中を電気工事士の実技試験の試験勉強に充てる。実技試験の試験時間は40分、その時間内に事前に提供されている13パターンの中から出題される1つの単線図から複線図をかき起こし、それに従って与えられた電材を加工して配線する。この複線図を描くときに電線の種類、長さ、接続機器に合わせて剥く被膜の長さなどを決めていく必要があり、この作業が10分以内に終わらないと時間内に配線を終わらせるのは難しい。そこでまずは複線図を10分以内にかくことを目標に全パタンの複線図の書き起こしを反復練習しているのだ。
午後、雨がほぼ止んだころHさんがこられたので、予定地にいって作業する。Hさんが蔵の前室の屋根に上り、そこから手が届く2本目と3本目の垂木に補強材を取り付ける。

6/17(月) 屋根修理完了まであと一息

雨上がりで雲は多いがさわやかな一日。家の前のコイの池の壁に直径10cmくらいの白い泡の塊、モリアオガエルの卵ができていた。オタマジャクシがコイに食べられてしまうような場所にわざわざ産まなくても他にも適当な場所はあるだろうに。

自宅のコイの池に産み付けられたモリアオガエルの卵

あちこちで咲き始めたウツギの花。
この季節に咲く花は白いものが多い。

朝からHさんが来られて蔵の屋根修理を継続。屋根の下には蔵の天井があるのだがその天井は土壁が分厚く塗られていた。この土壁が中の温度や湿度を一定に保っているのだろう。屋根と天井の間には人が入れるだけの隙間があるので、Hさんはその隙間に入り、体中土壁のほこりまみれになりながら、狭いスペースで孤軍奮闘の末、夕方までかかって4本目から9本目までの垂木の補強を取り付けていただいた。
補強材が取り付けられた蔵の屋根の垂木
その間、役に立たない我々はサイトNo2とサイトNo3の粗朶のかたずけとサイトNo3の日当たりをよくするための木の伐採をする。
午後は、トタンが折れた場所にできている小さな裂け目を屋外用のシーリング材でふさぎ、4時からはかたずけた粗朶を焼却。

6/18(火) 蔵の屋根完成!

薄曇りで過ごしやすい一日。朝軽トラダンプに3回分の砂利を運搬したところで、Hさんが来られた。
残りの2本の垂木の補強を済ませ、垂木の上に野地板を釘で止めていく。そのあとはトタンを1枚づつ屋根に引っ張り上げてトタンを野地板に波板用の釘で打ち付けていく。
夕方7時前、ようやくすべてのトタンの釘を打ち終わった。軒がすべてまっすぐになり、廃屋感が一気にうすれた。

修復が完了した蔵の屋根

念のため、軒の下に古い電柱を使って追加の軒桁を作るといいのだが、雪が降るまで時間の猶予があるので屋根修理はいったん完成とする。
サイトNo3の整地したところの水はけ状態が芳しくないので、サイトNo2とサイトNo3の境界あたりに調査用の穴を掘ってみた。すると深さ1mぐらいの紫の石の層からすごい勢いで水が噴き出した。常時水につかっている灰色の地層は地表から20cm程下まで来ており、地下水位がこの高さまで来ている可能性がある。とすればここも暗渠が必要そうだ。
地表のすぐ下まで地下水でいっぱいになった調査用の穴
今の油圧ショベルのバケットは幅が60cmもあり、これで溝を掘ると非常に幅の広い溝になってしまい、掘ったが最後向こう側には渡れなくなってしまう。また埋め立てのための土砂も大量に必要になる。溝堀用の幅30cmの狭幅バケットを使えばその問題は解消する。暗渠だけでなく水道、電気の地下配線など、今後も狭幅バケットを必要とする作業が目白押しということを考えて、油圧ショベルを購入した会社に頼んで狭幅バケットを買うことにした。ただし、受注生産なので納品までに1か月半かかるらしい。ちょうど梅雨時期だし、狭幅バケットが手に入るまで土木工事はいったん休んで、トタンのかたずけや蔵の修理や暗渠敷設の準備などをやることにしよう。



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