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2019年4月16日~4月21日 廃屋跡の水はけ対策実施

 
前回発覚したキャンプ場予定地内の母屋跡と風呂場跡の湧き水による水はけ問題は、見浦牧場に相談した結果、対策が決まり、なんとかまた一歩前進することができました。さて、その対策とは?



4/16(火) 水はけ対策の方針決定

キャンプ場予定地でようやく撮影に成功したウグイス
声を聴くだけでなごむ

朝、父と弟がキャンプ場予定地に来て地面を見てくれた。母屋跡の一番ぶよぶよしているところを1メートルほど掘ってみたら、田んぼの泥のような黒く湿った土が分厚く堆積しており、その下にある灰色の砂っぽい地層からどんどん水がしみだしてくる。父と弟が言うにはおそらくもともとが湿地でずっとヘドロのような泥が沈殿して堆積していた場所で、その上に盛り土をして大きな束石をたくさん並べることで柱が沈むのを防いでいたのだろうとのこと。大規模林道の工事の際も同じような地層があり、凝固剤で強制的に地面を固めて工事したらしい。黒い土は水がなくなれば乾いて固くなる土なので、深めに溝を掘って暗渠を敷設、柔らかくて困る地面は表面の土を30cmぐらい剥ぎ取り、石や砂利を入れて油圧ショベルで沈まなくなるまで踏み固めればよいとのこと。深く暗渠を掘るには、水の出口を低くする必要があり、そのためには水の出口にあるU字溝の壁の中ほどに暗渠のパイプの出口を取り付けられるようにU字溝の壁のコンクリートに穴をあける必要がある。U字溝にあける穴の高さはU字溝の水面から20cm以上が目安でそれより低いと水生生物が上がってきてパイプが詰まる原因になるらしい。
風呂場跡も見てもらったが母屋跡と違い、水の湧き出し口とそれを排出できるU字溝との高さの差があまりなく、暗渠を深く掘ることができない。そこで暗渠の上に盛る土の高さを確保するため、母屋跡との境界にある幅30cmのU字溝を暗渠にし、U字溝の手前から土を盛ることにした。
対策の方針が決まったところで、U字溝の壁の穴開けとその穴めがけて母屋跡の水路の掘り下げをする。溝幅50cmのU字溝は、縦に一定間隔で壁が厚いところがあるのでそこをさけて、まずとがったタガネで穴をあける。これがなかなか大変。穴が開いたら先が平たいタガネでいろいろな方向からはつって少しづづ壊していく。2回ほど狙いが外れて左手にハンマーが当たってしまい左手の親指と人差し指の付け根に赤いあざをつくってしまった。コツコツ穴を広げていって何とか暗渠パイプを差し込むための塩ビパイプが通るくらいの穴が開いた。
水路の掘り下げは、U字溝の穴から1%ぐらいの勾配をつけて深さ90cm程の溝を油圧ショベルでがっつり掘っていく。1か月前とは別人のように油圧ショベルの操作も手馴れてきて、深さ90cm、長さ25mほどの水路のうち20m強は1日で掘れてしまった。続きは明日。
母屋跡に油圧ショベルでががっつり掘った深い溝

4/17(水) 軽トラダンプでのはじめてのお買い物

昼間の気温18度と急に暖かくなって一気に春が進み、牧草地入り口近くにあるタムシバの大木が満開になった。この花が終わるころようやく桜の季節がやってくる。
満開のタムシバ
まずは15km程離れた北広島町のホームセンターに軽トラダンプで暗渠用の穴あきパイプを買いに行く。穴あきパイプは柔らかいので木材と同じような縛り方では固定できなかったのだが、荷台のバーやゲートのすぐ近くに縛り付けることでうまく固定することができた。「軽トラに荷物を積むためのロープワーク」はこちらに来てから覚えた技術の1つだ。
暗渠パイプを軽トラダンプの荷台に縛りつけるのも自分でできる
その間、相方は母屋跡の敷地の水路を深く掘り下げる作業を続ける。地面から50cmぐらい下にある砂の層からまた水がわいてきて、水路を流れる水の量が倍ぐらいになった。水路を掘り下げたことにより最後まで残っていた水たまりも水が引いたのでこれで地面は乾くだろう。
午後の作業は風呂場跡の敷地に暗渠用のパイプを敷設する。そのためにまず、父に手伝ってもらって見浦牧場の砂利置き場から砂利を分けてもらう。ホイルローダで積むと大きなバケット1杯で軽トラダンプの荷台がいっぱいになる。油圧ショベルの何倍も効率がいい。
ホイルローダで軽トラダンプに砂利を積む父。
88才とは思えぬ見事な重機さばき。
一般的な暗渠パイプの施工方法は、溝に設置した暗渠パイプを粗い砂利で埋めてからさらに砂で埋めてその上に土をかぶせることで、暗渠パイプまでの水の通りをよくし、パイプのつまりを防ぐというもの。もらった砂利は砂から石までいろいろな大きさが混ざっているので、まず借家にあった公園においてあるような大きい網のゴミ箱を使って砂利をふるいにかけて、1cmより小さい砂と、1cmから5cmの砂利と、それ以上の石に仕分けする。
水路に暗渠用ホースを必要な長さ分つないで配置したらその周りに大きめの石を並べ、1cm~5cmの砂利で埋めて、さらに砂で埋めたら、暗渠は完成。あとは必要な厚さまで真砂土を盛るだけ。
母屋跡境界にあるU字溝と、風呂場跡の暗渠を半分ぐらいうめたところで本日の作業は終わり。
砂で埋めたU字溝の暗渠パイプ(左)と埋める前の風呂場跡の暗渠パイプ(右)
母屋跡の水路は水はけの様子を見ながら、掘り出した泥の運び出しなどを順次やっていくことにし、それより優先順位が高い上の敷地に上がるための坂道を整備する作業の段取りを検討する。
坂道の入り口に油圧ショベルが入れるようにするには、坂道の入り口になる風呂場跡の暗渠を完成させて土を盛り、段差をなくしてならす必要がある。坂道に油圧ショベルをいれたら、油圧ショベルで坂道にはびこった木の根や表面に積もった腐葉土をはぎ取って整地しながら登っていくのだが、その時に取り除いた土や木の根は坂道の下につけた軽トラックの荷台に積んで運びださないといけない。坂道の下に軽トラックをつけるには、その手前に積んである石と土を邪魔にならない場所に移動させてから母屋跡境界にあるU字溝の暗渠を完成させ、真砂土を入れてならしておく必要がある。
坂道の入り口と坂道の下の整地でまだ3日ぐらいかかりそうだ。
1日の作業の終わり、夕焼けを背にして咲く桜

4/18(木) 風呂場跡に暗渠パイプを埋設する

春らしい薄曇りの天気。

今シーズンの初放牧。牛たちもうれしそうだ。
朝から風呂場跡の暗渠を埋める作業を継続。前日に砂利で埋めた母屋跡境界にあるU字溝は油圧ショベルで真砂土を入れて平らにする。
風呂場跡の暗渠パイプは、ごみ箱を使って仕分けした砂利と砂を油圧ショベルまたは一輪車で運んで埋めていく。昼間、気温が急上昇して暑さで肉体労働がつらくなってきたのでたまらず油圧ショベルと軽トラダンプでの泥の運搬作業に切り替え。相方は軽トラダンプ待ちの間に坂道下に積んであった石と土を移動する。私は運搬しながら運搬経路のあちこちで春を探す。
牧場の隅を薄紫に染めて咲くタチツボスミレ

大規模林道の道端を黄色い花畑にしているタンポポ
夕方涼しくなってきてから暗渠パイプを埋める作業を再開。パイプ全体を埋めたところで作業終了。
一日の最後に作業の進み具合を確認しながら次の作業の段取りを検討する。
暗渠用の砂利がなくなったのでまたもらいに行く必要がある。
風呂場跡の斜面からの湧き水の排水も暗渠にしたいが、最初に買った暗渠パイプは全部使ってしまった。明日は、ホームセンターに暗渠パイプを買いにいってから、砂利を取りにいき、坂道の入り口の暗渠を完成させよう。

4/19(金) ツルの切除は高枝ばさみ

朝から霧雨。
油圧ショベルの作業は中止して、まず軽トラダンプで戸河内ICそばのホームセンターに暗渠パイプを買いに行く。
買い物から戻ってから坂道の入り口にぶら下がっている邪魔なツルを通販で買っておいたロープソー(紐のようなヤスリ)で伐ってみることにした。4mの高枝ばさみの先に棒を取り付け、その棒にロープをひっかけてできるだけツルの高いところにロープを渡す。そのロープにロープソーの端に取り付けられた金属の輪を通してロープで引っ張り、ツルにロープソーが渡ったところでロープソーを左右に交互に引っ張れば切れるはず、だったのだが、途中でロープソーが二股に分かれた枝の間に挟まってしまい摩擦が大きすぎて動かなくなってしまった。
一体どのぐらいの時間で伐れるのかと手元にあった直径3cm程の枝で試し切りをしてみたら、所詮はヤスリ、1往復でほんのちょっとしか切れない。これではらちがあかない、やっぱり切るのはのこぎりに限る、ということでロープソーはアイディア倒れに終わり、結局高枝ばさみのノコギリでツルを伐ることになった。

4/20(土) 違いの理由が面白い 

昼間は夏が来たかと思うほど暑い快晴の天気。
朝、父に手伝ってもらって暗渠用の砂利をホイルローダで軽トラダンプに積んでもらって廃屋跡に運ぶ。1時間ほど運んだあとは、風呂場跡の暗渠とU字溝の暗渠を砂利で埋める作業に励む。
午後、きこりのTさんがシイタケのほだ木を本伏せしにやってきた。ほだ木を置いていた場所の近くで風通しがよく西日の直射日光が当たらないところを探してそこにほだ木を立てて並べなおしたとのこと。ついでにひょうたん山を歩いてきたそうで、道路側とそれ以外の植生が違うこと、道路側に標高が高いところに生えるブナが生えていて、臥竜山の根元のほうから枝分かれしているブナと違い、幹が1本直立していることなど、気が付いたことを話してくれた。
我々が聞いたり調べたりして理解しているこれらの違いの理由は次の通り。植生の違いは見浦牧場が最近まで他人の土地だった道路側を除き40年ぐらい前に一度全部伐採したことがあるため。道路側の谷にブナが生えているのは西向きの谷で遅くまで積もった雪が残るため。ブナの樹形の違いは本来は直立するブナが薪に利用する目的で伐られたことで枝分かれしたため。「違い」にはそれぞれ理由があり、その理由がわかると面白い。

4/21(日) 坂道工事の準備完了  

春霞の薄曇りの天気。あちこちで桜が咲き始め、一気に春らしくなってきた。
キャンプ場予定地のあちこちに咲き始めた山桜
前日あまりにも暑かったので、去年の夏に玄関前の木工作業小屋として活躍したイベントテント風のタープをキャンプ場予定地にもっていく。
今日の作業は坂道の下の軽トラダンプをつける予定の場所にある穴やでこぼこを平らにする作業。朝から父に手伝ってもらって採土場の真砂土を軽トラダンプに積み、廃屋跡に運んで降ろし、相方が油圧ショベルでならしながら踏み固めていく。ホイルローダのバケットは大きいので積むスピードが倍以上の上に、積むのと広げるのを平行でできるのでとても効率がよい。
ホイルローダで真砂土をすくう父。
アームとバケットを上げたり下げたりは右手のレバー1本で自由自在。
母屋跡境界にあるU字溝の暗渠の上に砂利を入れ、予定していた坂道工事の準備が完了した。
試しに油圧ショベルを坂道の入り口に乗り入れて坂道の一番低い部分の木の根や表面の厚く積もった落ち葉の層をはぎ取ってみる。油圧ショベルが上り坂に向いている状態でアームをのばすと踏ん張りがきかず車体が前後に大きく揺れる。危ない危ない。こういう場合は油圧ショベルを後ろ向きに入れて、排土板を後方のつっかえ棒にしないと。油圧ショベルを出し入れしてみると坂道入り口の傾斜とカーブが急で出入りがやりにくいので、追加で土を盛って油圧ショベルが入りやすくすることにした。
3時の休憩はタープを広げてキャンプ椅子をおいてコンテナボックスをテーブル代わりにコーヒータイム。
家の隣の別荘のSさんが4輪バギーでの通りがかりに、予定地の様子を見によってくれた。夕方、父も様子を見に来た。こうしていろいろな人が出来具合や景色を見ながら会話する、にぎやかな場所になるといいな。

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